子は鎹とか何とか

大学を卒業してから、というか、今現在連絡を取っている唯一の友人に、子どもが生まれたらしい。

連絡を取っていると言っても、向こうがたまにかけてくる電話に、自分の都合がよければ出る、といった具合なので、頻度はまちまちだ。

今回は……多分半年ぶりだと思う。もしかしたらそれ以上かも。

就職したことは伝えていたから、一年は経っていないはずだ。

 

友人は、いつの間にか結婚して、引っ越して、子どもができていた。

先月に生まれたばかりで、まだ一か月ちょっとなのだとか。

話の大半は子どもの話、まあ生まれたばかりだとそうなるよなあ。

会話の中で何度も「子供がかわいい」と言う。

このご時世、幸せなことがあるのは良いことだ。

健康面で不安になりやすいだろうけど、行政もサポートしてくれてるらしいし、家族全員健康でいてほしいな、と素直に思った。

 

 

そもそも友人と自分の性格が結構違うので、比べるのもおかしい話だけれど。

自分は誰かと暮らすこと、できるだろうか、とふと考えた。それも、自分の血を分けた、小さくて弱く、手のかかる存在と。

家族とは、それなりに暮らせていたと思う。親が子どもに優しかったのもあるだろうけど。

でも、自分が誰かの配偶者として、もしくは親として生活することは、果たして可能だろうか。

きっといくらかの期間なら大丈夫だろう。さすがにそこまでの人でなしではない。

ただ、何十年も、下手したら死ぬまで、となると。

きっとどこかで破綻してしまうんじゃないか、と思う。

身体は大丈夫だろう。でもそれは自分しか気にする人間がいないから。

精神は弱い方なので、すぐ折れるだろうし、それに伴って体調も悪くしそうだ。

一人の時間は長く欲しいし、どのタイミングで欲しくなるかもその時によって違う。

それを耐えられるかどうか。難しそうだな。

そういうのが我慢できる、それか、そういうのがどうでもよくなるくらい好きな相手に会えたらあるいは……

たらればいってもしょうがないけどさ。このご時世、出会いもないし。

 

まだ花瓶の水換えてなかったな。替えたら寝よう。