思い出す痛み

今日はちゃんと仕事しました。いや、うーん、「ちょっと遅い」と注意を受けたけどさ。

やっぱ仕事があると良いなあと思いました。掃除ばっかだと心が疲れちゃうもんね。

 

今日は仕事の終わりの方で同僚が先輩に叱られてて、胸が苦しくなった。

難しいよな……人は人でやり方違うし、その時その時で最善手も違うし、良いやり方ってのはなかなか思いつかないもんな。

助け舟を出そうと思ったけれど自分も自分でどうしたらいいかわかんなくて動けないし、そもそも助けることが相手のためになるのか。

そこら辺わかんないな、自分が助けてもらった記憶がないから。いや自覚がないのか?まあいいか。

 

掃除時間は金属磨きをした。

薬品が手につかないようにビニール手袋をして、更に脱げないように手首に輪ゴムを着けたら、昔手首に毛糸を巻かれて思い切り引っ張り続けられたことを思い出した。

それは仕事中の話。毛糸を取ることも、張りを緩めるために手を動かすこともダメだった。

一時間くらいそうしていたら手の色が紫になって、外してからも左手の親指の付け根辺りがしばらく痺れていた。

その感覚まで思い出して、少しだけ背筋が寒くなった。

まだ精神が縛られている。

当時からも嫌だったけれど、仕事だし、頑張らないと、と思って我慢していた。

今思えば洗脳されてたか、心が死んでいたんだろうと自己分析。分析ってほどでもないか。

肉体的に痛い思いをするのは、精神よりは我慢できる。いつかすっかり忘れてしまうから。

そのはずだったんだけど、時と場合によっては心にも痛みが残って後から思い出すもんなんだなあ、とひしひしと感じた。

 

大丈夫大丈夫、今はもうあの頃の自分を知っている人間もいないし、環境だって全然違う。

夜眠るのが怖くないし、痛いのだって自分の不注意ばっかりだし、心だってもうそんなに折られることもない。

できたらもう少し早く……と思わないこともないけれど、でも、必要なことだったのかもしれない。

運命とかはあんまり信じてないけれど、それでも、この人生を歩んでいなければ、もっと悲惨だったかもしれないし。

何気なくこぼしたたった一言がきっかけで、自分はここにいるんだから。

 

明日は早番だ。仕事はないけど、今日の掃除の続きが残っている。

手袋は着けるけど、輪ゴムは無しでいこう。その方がいい。