匂い

昨日から、姉が部屋に泊まりに来ている。

部屋の中で、自分以外の人間の匂いがすることに違和感がある。

姉がいることも、姉のものがあることも、何か音を発していることも、全部大して気にはならないのに、何故か、匂いだけ、ひどく気になる。

別に鼻がいいわけではない。変な匂いがするのを、周りに言われてから気付くことも多々ある。

けれど、人の匂いはちょっと気になってしまう。良い匂いの人は好きだ。

たまに匂いを感じない人もいる。アレは何なんだろうな。

 

エレベーターやトイレの個室なんかは、結構前にいた人の匂いが残っている。

最近は、この匂いが誰だとかが何となくわかるようになってきた。

だから何だという話だけど。誰かに話しようもない。

 

嫌な匂い、というのは結構ある。香水とか。柔軟剤も苦手。

シャンプーも、匂いが強いものだと、他人の髪から香るのもダメだった。

そういえば、匂いを理由に敬遠される食べ物にはあまり触れたことがない。

納豆は好きだし、匂いが独特だと言われる中国のお酒、汾酒もまあ嫌いじゃない。

くさやとか鮒寿司とかはどうなんだろう。シュールストレミングはさすがに日本じゃお目にかかれないので……

 

食事で苦痛を味わうのは嫌だなあ、と思いながら、姉の匂いと共に寝る。