だいたい途中で見失う

子どもの頃、ひとつの石を蹴りながら帰る、という遊びをしたことがある人はそれなりにいると思う。

かくいう自分も小学生のころは時々していた。今思うととても危ないことをしていた。

面と向かって注意されたことはなかったはずだが、成長するにつれ「ああアレは危なかったな」と気付くのだ。

 

しかし、今現在、割と都会に住んでいる身としては、そういうことができる場所は、実はとても少ないんじゃないかということに気付いた。

まず石があまり落ちていない。道端はもちろん、公園にもない。

自分の時はどこの石を蹴っていたっけ、と思い返して、帰り道に畑や川があったことを思い出す。石を敷いた駐車場もあった。

今住んでいる場所に、そういったものは見当たらない。川はあるが川幅は広く、降りられる場所も無いので石など取りに行けそうもない。

 

そして、通学路になっている住宅街の中を、車がよく通る。

大通りを避けるための抜け道なのだろうが、信号が無いこともありスピードが出ていることが多い。

蹴った石が車に当たるかもしれないし、石を蹴ろうとして道の真ん中に行ったら危険だ。

歩道どころか、路側帯もない道も多い。

 

そういえば、休みの日に家にいることは今はほとんどないが、平日の放課後の時間になっても、公園で遊んでいる子供を見かけたことがない。

都会の子供はどこで何をして遊んでいるのだろう。誰かの家だろうか。今はゲームもいっぱいあるだろうし。

公園は禁止事項ばかりが目立って、不自由だな!と思ったけれど、自由を知らなければ不自由も感じないので、そこを憂うのは違う気もする。

何が損か得かは本人たちが決めることで、知っている選択肢の中から良いものを選べているならそれでいいんじゃないか。

自分は何をして遊んでいたっけ、と思い返して、遊ぶ友人がいなかったことに落胆した。