中は「中途半端」の中

暗いのか暗くないのかよくわからない話。

 

小学校の頃、いじめられていた。理由はよく覚えてないけれど、転校してきて言葉もちょっと違って頭が変な人間は格好の餌食だったんだろう。

無視だの聞こえよがしに馬鹿にするだの、大したいじめではなかった、と今になって思う。

色々言われたし色々されたけれど、覚えている中では、顔の造形について言われたことは無かった気がする。忘れているだけかも知れないけどさ。

そんな中途半端な記憶と共に歳を重ねてしまったせいで、いまだに「自分の顔は中の中くらいはあるのでは?」というプライドみたいなものが心の底に残っている。

それ以外が壊滅的なせいで、魅力的とは程遠い人間であることはもうしょうがない。

 

いっそ顔も含めてすべて馬鹿にされていればもっと振り切れていたのかなあ、と思わないでもない。いつもすべてが中途半端なのだ。

当時の自分は非常につらかったと思うので、そこは申し訳ない。喉元過ぎれば熱さなんて簡単に忘れてしまうのだ。

今だからこそ話せる、というほどの話でもないし、口を噤みたくなるほど悲惨な出来事でもない。

 

色んな意味で、震えるほどの経験をしたことがあるだろうか。

中途半端な人間をつくるには、中途半端な経験をさせ続ければいいのだ。

いつか何かを、なんて思っているうちに、時間だけが流れていく。

それもまあ良いんじゃないかと思ってしまうのは、今が一番つらかった時期よりは幸せだからだろうか。

このまま、中途半端なまま人生が終わってしまうのも、そんなに悪くない。かもしれない。